はじめに

 近年、パソコン及び周辺機器であるスキャナー、プリンターの発達により、 放射線透過写真の画像処理が比較的安価に実現できるようになってきました。医療分野においては、レントゲンフィルムのデジタル保存が規制はあるものの法的に可能になり、非破壊検査分野においても、画像処理及びデジタル保存の要求は高まっています。

   
非破壊検査において、放射線透過写真のデジタル化のメリットとして、次の点があげられます。
1.ドキュメントに画像をペーストできることにより、他のファイルを参照することがな
  く、1つのドキュメントで表現できるようになります。
2.画像をデーターベースのなかに取り込めるため、検索性が向上します。
3.同様に、他のデータとのリンクも可能となります。
これらのことにより、保全計画等の参考資料として活用しやすくなると考えられます。

デジタル画像の作成方法

 デジタル画像の作成には、次のように様々な方法があります。
1.既存フィルムをスキャナー等で読み取る方法
2.X線デジタルカメラ等により、画像を直接パソコンに取り込む方法
3.FCR等の装置を使用する方法
画像処理
 画像処理には、様々な手法があり、メディアンフィルター(雑音の低減)、エンボス(疑似立体表示)、コントラストの平均化、様々な計測(濃度、長さ等)、濃度断面による3D化等が非破壊検査分野での代表例としてあげられる。

1.コントラストの平均化(Equalize Contrast)
 画像のコントラストを平均化することにより、肉厚差の大きいバルブ等のフィルムが見易くなります。

元画像

平均化処理後
2.寸法測定
 基準となる物を同時に透過写真に写し込むことにより、配管の残肉、ソケット継手の差込み量等の測定が可能となります。

3.濃度測定による残肉の推定
 基準となるステップ(階調計等)を同時に透過写真に写し込むことにより、デシタル化した後、濃度を測定し、残肉の推定を行なうことができます。 

4.エンボス
 配管の腐食等を、画像の濃淡から3次元表示が可能となります。

 画像を見る角度により、凹んで見えたり、凸んで見えたりします。処理時の角度によっても変化します。
 その他、高さを変化させることも可能です。
5.透視図(Perspective View)
 減肉部を透視図で表現することにより、減肉の程度をより明確に表現できます。

6.濃度断面
 フィルム上の濃度断面をグラフで表現することにより、減肉の形状を推定できる。透過写真の濃度断面をとることにより、透過板厚の差を数値或は、グラフで表現することができる。

 上のグラフは、カメラの横方向の濃度断面を示しています。フィルムを巻取る軸やレンズのマウント部の濃度がうすいので大きな値を示しています。
 最新の画像技術については、国際医用画像総合展、国際画像機器展に出展されています。
 また、その応用技術については、検査技術98年10月号、98年9月号、社)非破壊検査協会第1回放射線シンポジウム講演論文集等を参照して下さい。